ランキンサイクルの効率を上げる方法とその制約についてのまとめ

スポンサーリンク

ランキンサイクルの効率を上げる方法とその制約

火力蒸気プラントの効率を上げる方法としては、下記(1)〜(4)があげられます。

(1)タービン入口蒸気圧力・温度を上げる(解説記事)
(2)タービン背圧を下げる(解説記事)
(3)再生サイクルを設ける(解説記事)
(4)再熱サイクルを設ける(解説記事)

しかしならが、全ての方法は万能ではなくそれぞれに制約があります
これらの制約をまとめると下図の様になります。

(1)タービン入口蒸気圧力・温度を上げる
ボイラでは高温高圧の蒸気を作りたいですが、材料の耐熱性能にも限度があります。


(2)タービン背圧を下げる
タービン背圧は復水器の冷却水温度に依存するので、プラントを建設する場所によって決まってしまいます。

(3)再生サイクルを設ける
給水加熱器をたくさん設置すれば熱効率は向上しますか、経済的な観点から産業用プラントで3〜5段、事業用でも5〜8段が限度です。

(4)再熱サイクルを設ける
理論的には再熱回数を増やせば増やすほど、熱効率は改善しますが、圧力が下がった蒸気を送気するには大きな配管が必要になるため、高圧プラントでも2回が上限となります。

以上のようにランキンサイクルの効率を上げる方法には、当然ながら制約があります。プラントエンジニアはこれらの制約のもと、客先のニーズにあったプラントを設計する必要があります。

以上、参考になれば幸いです。

↓ おすすめの参考書はこちら

スポンサーリンク